まごころ介護のお役立ちコラム
MAGOCORO COLUMN
「杖」は、足腰の弱った高齢者や足の不自由な人の歩行をサポートしてくれます。
今はひと昔前にくらべて杖のバリエーションも増え、より自分に合った杖を選びやすくなりました。
その杖が、介護保険を利用してレンタルできるのを知っていますか?
今回は杖のレンタルについてご紹介いたします。
レンタルとは福祉用具貸与のことで、利用者(要介護者、要支援者)ができる限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、福祉用具の利用を介護保険で支援するサービスです。
福祉用具にはいろいろな商品があり、杖のように歩行を補助する商品から、歩行器や車いす、スロープ、特殊寝台まで13品目もあります。
月々1~3割の負担でレンタルすることが可能です。
たとえば、月々のレンタル料金が1,500円の杖なら、個人の負担は、1割負担の人で月150円、3割負担の人で月450円になります。購入なら15,000円もする杖です。
杖のレンタルは、要介護認定(要支援1~要介護5)を受けている人なら誰でも利用できます。
ただ、介護保険の対象になっている杖は、以下の5種類です。
松葉杖
ロフストランドクラッチ
カナディアン・クラッチ
プラットホーム・クラッチ
多点杖
上記5種類の中で、よくレンタルされている2つの杖の特徴をご紹介します。
上部に前腕を通すカフ(輪っか)が付いています。カフの下には手で握る用のグリップが付いています。
グリップを握る手と前腕の2点で体を支えるため体重を分散させることができ、体重をかけやすく歩行の安定性を高めます。
麻痺や手の痛みがあるなどによってグリップを握る力が弱い人でも使いやすいです。
地面と接する杖の先端が3~4本に分かれている杖で多脚杖とも呼ばれています。3~4点の複数点で体を支えることから体重をかけても倒れにくく、安定性が高いのが特徴です。
筋力が低下している方、立つ姿勢が悪い方、背骨が曲がっている方などに適した杖です。
多脚杖は地面に接する面積が広いため、段差のない平らな場所、つまり室内での使用に適しています。
歩行に不安があると外出が億劫になり、自宅で過ごすことが多くなってしまいます。それではますます筋力が弱って足腰が衰えてしまうでしょう。
自分に合った杖を使うことで、不安定な部位をうまくサポートして歩行を安定させることができます。ただし、よく見かける「一本杖」は介護保険の対象になりませんので注意が必要です。
監修
橋本珠美
2001年4月、株式会社ユメコムを起ち上げ、介護・福祉の法人マーケットを中心に、誰もが高齢社会を安心して過ごすためのコンサルティングを始める。
また「高齢者と高齢者を抱える現役世代」のための相談窓口「シニアサポートデスク」「ワーク&ケアヘルプライン」を運営し、高齢者やそのご家族の幅広いお悩み(介護・相続・すまいなど)にお応えしている。
相談窓口の事例と自身の経験(ダブルケア)を取り入れたセミナー活動は好評を得ている。
株式会社ユメコム(https://www.yumecom.com)
公開日:2024年6月4日 更新日:2024年10月28日
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