まごころ介護のお役立ち動画コラム

MAGOCORO MOVIE COLUMN

ケアマネ更新研修の費用が高騰!3人に1人が自腹で負担する現状と対策

 

衝撃の事実!ケアマネ更新研修費値上げ、3人に1人が自腹

はじめに:2024年の介護保険報酬改定で何が変わった?

2024年の介護保険報酬改定は、介護業界全体の期待を集めていましたが、その中でも特にケアマネージャーの処遇改善に期待が寄せられていました。

介護業界では依然として深刻な人材不足が続いており、ケアプランを作成してくれるケアマネージャーが見つからないという問題が全国各地で発生しています。
このような状況が続けば、介護を必要とする高齢者やその家族に対する影響は計り知れません。

ケアマネージャーの処遇改善は当然のこととして、業務負担の軽減もまた急務です。
今回の改定では、モニタリングの頻度軽減やケアマネージャー1人当たりの担当件数の上限緩和といった措置が取られましたが、これだけでは不十分と感じる声も多いのです。

本記事では、特にケアマネージャーの「更新研修」に焦点を当て、その費用負担や制度の課題について詳しく解説し、業界全体の改善提言を行います。

研修

法定研修にかかる受講料の高騰

ケアマネージャーの資格を維持するためには、定期的に法定研修を受講しなければなりません。これは、介護業界に従事している限り避けて通れない道ですが、その費用は年々高騰しています。

特に、2022年度の受講料金の全国平均が発表され、多くのケアマネージャーや事業所にとって大きな負担となっていることが明らかになりました。

2022年度の研修費用の全国平均

以下は、主要な法定研修の2022年度の全国平均費用です。

2022年度のケアマネ研修全国平均費用

・更新研修:5万9159円(前年比+9387円)
・専門研修:3万4658円(前年比+1726円)
・主任ケアマネ研修:4万6910円(前年比+1310円)

これらの数字を見ても、ケアマネージャーにとっての研修費用が年々増加していることがわかります。
特に更新研修に至っては、1万円近い値上がりが見られ、多くのケアマネージャーにとって大きな経済的負担となっています。

法廷研修とは
全部で4種類あり実務研修、専門研修、更新研修、主任ケアマネ研修の4つ。

各都道府県による研修費用の格差

法定研修の費用は都道府県ごとに大きく異なり、受講者にとって負担が不平等になる現状があります。
例えば、昨年度の実務研修の費用は以下のような大きな差が見られます。

都道府県による研修費用の格差

・最高額:山形県 8万280円
・最安値:島根県 2万800円

このように、同じ研修でありながら都道府県ごとに最大で5万9480円の差が生じており、研修費用の高騰が地域によって不均一に負担されていることが問題です。
特に地方では、財政的な理由から研修費用が高額になる傾向があり、それがケアマネージャーにとってさらなる負担を強いる要因となっています。

国や都道府県による費用負担の差異

厚生労働省は、各都道府県に対して研修費用の負担軽減を求めていますが、現場ではまだ改善の兆しが見られません。
東京都のように補助金制度を導入している自治体もありますが、全国的にはまだ不十分な状況です。
都道府県ごとの財政状況に依存しているため、地域によっては全く補助が受けられないケースもあります。

3人に1人が自腹で研修費を負担

また衝撃的な事実として、ケアマネージャーの3人に1人が研修費用を自らのポケットマネーで負担しているというデータがあります。
これは国の調査によって明らかにされました。

費用負担の内訳

費用負担の内訳

・全額自腹で負担しているケアマネージャー:34%
・一部法人負担:13.7%
・全額法人負担:51.2%

このデータからもわかるように、研修費用を全額法人が負担しているケースが半数を超えてはいるものの、3割以上のケアマネージャーが自己負担で研修を受けている状況です。
法人側も経済的余裕がない場合が多く、特に中小の介護事業所では、研修費用を全額負担することが難しいのが現実です。

自腹負担がもたらす影響

ケアマネージャーが自腹で負担する状況は、彼らのモチベーションや経済的な安定に悪影響を与えています。
ケアマネージャーは、日々多忙な業務に追われる中で研修のための時間を割き、さらに高額な費用を支払わなければなりません。
これが結果的にケアマネージャーの離職率を高め、介護業界全体の人材不足に拍車をかける可能性があります。

自治体による助成金制度の違い

一部の自治体では、ケアマネージャーの研修費用を補助する助成金制度が導入されています。特に東京都は、先進的な取り組みを行っており、法定研修の費用負担を軽減することでケアマネージャーの負担を和らげています。

東京都の助成金制度の例

東京都では、法定研修受講料の4分の3を補助する制度があり、ケアマネージャーにとって大きな経済的サポートとなっています。具体的には以下の通りです。

東京都の助成金制度の例

・主任ケアマネ研修:受講料5万2600円 → 自己負担1万3200円
・専門研修:受講料2万3800円 → 自己負担6000円

このような助成金制度を利用すれば、研修費用の大部分が自治体によってカバーされるため、ケアマネージャーの自己負担は大幅に軽減されます。
しかし、全国すべての都道府県でこのような制度があるわけではありません。ケアマネージャーが地域によって不公平な負担を強いられる現状は、改善が必要です。

ケアマネ更新研修への提言:廃止や軽減は可能か?

ケアマネージャーの更新研修に関して、私は個人的に「廃止」または「大幅な軽減」が必要だと考えています。
なぜなら、他の国家資格である社会福祉士や介護福祉士には資格を維持するための更新研修が義務付けられていないからです。
教員免許の更新制度も令和4年に廃止され、ケアマネージャーだけが高額な更新研修を受け続ける必要があることには違和感があります。

現行の研修の問題点

現行の更新研修では、ケアマネージャーたちは数日間にわたって拘束され、会場での講義に参加しなければなりません。
しかし、実際にはその時間を現場の業務に充てたほうが、より多くの高齢者にサービスを提供できると考える人も多いのです。
また、研修内容が現場の問題解決に直結していないという意見も多く、長時間拘束されることに対する不満が募っています。

例えば、必要な知識を得るために動画研修やオンラインセミナーの形式に変更することで、ケアマネージャーたちが自身のペースで学習できる環境を整えることが可能です。
これにより、業務との両立が図れるだけでなく、より多くのケアマネージャーが効率的に研修を受けることができるでしょう。

オンラインセミナー

まとめ:ケアマネージャーの負担軽減が急務

現在、ケアマネージャーの法定研修は費用面でも時間面でも大きな負担となっています。
特に更新研修の費用が高騰し、その一部を自腹で負担するケアマネージャーが3人に1人いる現状は深刻です。
今後、国や自治体がこの負担を軽減するための対策を講じることが急務です。

ケアマネージャーの不足は、介護を必要とする高齢者やその家族に直接的な影響を与えます。
現場で働くケアマネージャーがその業務に専念できるよう、研修制度の見直しや負担軽減策が早急に求められています。
業界全体が一丸となってこの問題に取り組むことが、介護業界全体の持続可能性を高めるために不可欠です。

 

\ 福祉の福ちゃんが講師を務める「介護・福祉セミナー」を開催しています /

監修

福井寛之(ふくい ひろゆき)

社会福祉士・介護福祉士・介護支援専門員(ケアマネージャー)
You Tuber 福祉の福ちゃん
経歴:特別養護老人ホーム、デイサービスで7年の介護経験。
在宅介護支援センター、地域包括支援センターで14年経験、センター長として勤務。
小学校、中学校の授業を通して認知症講座を開催。
在宅福祉の相談に数多く関わってきた経験から、また、認知症の祖父母を在宅で介護、看取りを行った経験から様々な講演を開催。

公開日:2024年10月22日 

関連記事

LINE

老人ホームの選び方ガイドブック無料ダウンロード

TOP

24時間365日 通話料無料でご相談

0120-469-448
コロン