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どうすればケアマネの負担を減らせる?~ケアマネ検討会が中間整理を発表~
目次
「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会」の中間整理が2024年12月12日付けでまとめられました。
中間整理では、下記が喫緊の課題であるとされました。
利用者にとってより質の高いケアマネジメントを実現すること
業務整理やICTを活用してケアマネジャー業務の負担を軽減すること
新たなケアマネジャーのなり手を確保していくこと
この課題に沿って、制度改正や報酬改定に向けて引き続き検討していくことが中間整理に記され、4つのテーマに分けて、それぞれの現状の課題と改善策が示されました。
ケアマネジャーがその専門性を生かし、
ケアマネジメント業務に注力できるように負担軽減などの環境整備を行う
ケアマネジャーは在宅介護サービスの要。地域の関係者と関係を構築したうえで、利用者に適切な支援を行うことが重要です。
検討会は、ケアマネジャーが専門性を生かして業務に注力できるような環境を整備するために、居宅と包括で下記に重点を置き、業務の在り方を考えていくことが重要だとしました。
『個々の利用者に対するケアマネジメント』に重点を置く
『社会資源への働きかけを含めた地域全体の支援』に重点を置く
居宅ケアマネジャーが実施する業務については、以下の分類に沿って負担の軽減を図るといった方向性が記されました。
『②保険外サービスとして対応可能な業務』『③他の機関につなぐべき業務』については、基本的に市町村が主体となり、関係者を含めて地域課題として協議することとしています。
業務の類型 | おもな事例 |
---|---|
①法定業務 |
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②保険外サービスとして 対応可能な業務 |
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③他の機関に つなぐべき業務 |
|
④対応困難な業務 |
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主任ケアマネは居宅・包括のいずれでも他のケアマネへの指導・育成を行う役割がありますが、他の業務に時間を割かれ、十分にその役割を果たせていないのが現状です。
そのため、主任ケアマネの専門性を発揮できるように、主任ケアマネの役割(制度的位置付け)を明確にし、ケアマネが受けるべき膨大な研修の在り方や、事業所での役割に応じた評価の在り方について検討することが記されました。
また、各事業所における主任ケアマネの配置については、地域の実情に応じて、市町村が兼務や業務委託なども含めて検討することが記されました。
サービスの質の確保を前提として、
幅広い世代に対する人材確保・定着支援の取り組みを総合的に実施する
現在のケアマネの年齢構成などを踏まえると、10年以内には担い手が急激に減少していくことが見込まれます。
そのため、幅広い世代に対してさまざまな取り組みを実施することが必要だとされました。
特に、現在ケアマネに従事されている方が、引き続きやりがいを持って仕事を続けられるようにすることが重要だとし、下記の取り組みが記されました。
他産業・同業他職種に見劣りしない処遇を確保する
様式の見直しを行い、書類作成の負担を軽減する
カスタマーハラスメント対策など、働く環境を改善する
シニア層が働き続けることができるように環境を整備する
ケアマネの受験要件に新たな資格を追加する
実務経験年数(通算5年以上)の短縮(一定要件を満たした場合)を検討する
若年層を重点に、魅力発信などの取り組みを促進する
オンライン受講を可能にするなど、再研修を受けやすい環境を整備する
時短勤務や担当件数を少なくするなどの勤務体制を設定する
スムーズに復職できるよう実務経験を踏まえて研修を簡素化する
ケアマネジャーの資質確保・向上を図り、
負担を軽減できるように法定研修の見直しを行う
利用者にとって適切なサービスを提供するためはケアマネの資質の確保・向上が重要ですが、一方で、受講者の経済的・時間的負担が大きいことが課題にもなっています。
利用者への支援に充てる時間を増やすために、更新研修については、負担を大幅に軽減できるように下記について検討されました。
全国統一的な実施が望ましい科目は国レベルで一元的に作成する
オンライン受講の推進や分割受講の仕組みを構築する
ケアマネジメントの質の向上に向けた取り組みを総合的に実施する
ケアマネジャーの質の向上には、適切なケアマネジメント手法を理解することが重要であり、2024年4月に施行された法定研修カリキュラムにも盛り込まれました。
これまでも国や地方自治体において周知は行われてきましたが、今回の中間整理では、適切なケアマネジメント手法の更なる普及と、自主的な気づきを促すためにケアプラン点検の適切な実施を促進することなどが記されました。
参照:厚生労働省|ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会 中間整理
2024年4月から行われてきた同検討会は、上記のとおり中間整理が発表されました。ケアマネの業務内容の改善、人手不足、法定研修の在り方などさまざまな課題が露呈しました。制度改正や介護報酬改定に向けて、早急に改善策を実施していくことが求められます。
取材/記事
加藤 有里子
経歴:有料老人ホーム運営会社にて広報・マーケティングを行った後、ヘルパーを経験。亀岡大郎取材班グループ「全国賃貸住宅新聞社」にて取材および取材・広告営業、「展示会 賃貸住宅フェア」の一切(企画・運営・講演・営業)に携わり大阪支社長代理として従事。その後、広報支援を行うokiruyを立ち上げる。
okiruy(オキルイ) https://okiruy.com
2021年設立:ライター、広報支援
公開日:2025年1月17日 更新日:2025年1月22日
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