まごころ介護のお役立ち動画コラム
MAGOCORO MOVIE COLUMN
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介護の仕事でIT技術は活用できる?~アンケート調査でわかった介護現場の実情~
最近では、どの業界でも業務効率化のためにIT技術が取り入れられることが当たり前になってきました。介護業界でも、業務の負担軽減のためにITを活用しようと、さまざまな制度やサービスが導入されています。
でも、いきなり最新の技術を導入されても…と困惑されているケアマネジャーさんも多くいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、今回は、介護現場でのIT活用について、UAゼンセン日本介護クラフトユニオンが行ったアンケート結果をお伝えしたいと思います。
前回の記事ではケアマネの業務範囲についてのアンケート結果をご紹介しています。
ぜひ、こちらも合わせてご覧ください。
前回記事:それってケアマネの仕事ですか?~アンケート調査でわかったケアマネの実情~
厚生労働省は、ケアマネジメントの負担軽減のため、ITの利活用を通じてケアマネジメントの質向上を図ろうとしています。
実際に、オンラインモニタリングなどの利用状況について、UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(以下、NCCU)は、「ケアマネジャー限定 実態調査アンケート」を行いました。
この問いでは、回答者の半数以上が「行いたくない」と答えました。一方、すでにオンラインモニタリングを行っている割合は全体の1%程度で、介護現場ではほとんど行われていないことが明らかになりました。
ケアマネ業務は実際に訪問をしてご利用者さんの様子を見ることが必須なケースがほとんどなので、オンラインで対応…となると厳しい部分が多いかもしれませんね。
行いたい主な理由 ◎移動時間が短縮できる、ガソリン代が節約できる
◎リモート勤務が可能になる
◎担当件数が増えていくと思うため
◎望む家族や利用者がいて条件が揃えばよい
◎生産性の向上
行いたくない主な理由 ◎直接会わなければ分からないことが多い
◎2ヶ月に1回行かないといけないなら負担は変わらない
◎利用者が本音を話せなくなる
◎パソコンがひとり一人に貸与されていないのでできない
◎利用者にオンラインを行う環境が整っていない
この問いでは、「使いたい」が68%と過半数を超える結果となりました。介護の現場ではAIの利用が好意的に受け取られているようです。ただ、すでに使っている割合は1%とまだ少ない状況でした。
ケアマネは書類作成業務に多くの時間を取られているので、AIによってこの時間が短縮できると、業務負担も軽くなるかもしれませんね。
使いたい主な理由◎考える時間が短くなり短縮につながる
◎自分では思いつかないプランができるかもしれない
◎件数が増えると思うので効率化が図れる
◎文章を作るのが苦手だから
◎単純にAIに興味がある
使いたくない主な理由 ◎個別性がなくなる
◎ケアマネの経験が必要なくなる
◎使用するまでに手間がかかる
◎システムが整っていない
◎AIが信じられない
この問いでは、「導入している」と回答したのは15%未満と、現場ではシステム連携があまり普及していないことが明らかになりました。
導入していない主な理由◎連携先事業所が連携可能なシステムを導入していない
◎導入コストが高い
参考:UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)「ケアマネジャー限定 実態調査アンケート」集計結果
ケアマネが直接モニタリング訪問することで、利用者の顔色、環境などさまざまな情報を取得することができます。
オンラインモニタリングとは得られる情報量が雲泥の差であることは言うまでもありません。モニタリングの本来の意味を今一度考えて、利用者の変化に気付くことが大切です。
一方、ケアプランを作成する際、一向に文章が出てこないことはありますよね。
そんなときに情報を入れたらAIがプランを作成してくれ、最終調整をケアマネが行う形にすれば、書類作成時間が削減でき、その分利用者と接する時間を増やすことができます。
AI活用はまだ始まったばかりですが、良い意味で業務効率を図れるツールと期待しています。
2024年11月に行われた第5回『ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会』では、ケアマネの負担減、人材確保に向けた方策、質の向上策など中間整理に向けた、たたき台が示されました。現場目線で業務改善が図れる整備がなされることを期待したいですね。
「まごころ介護のお役立ち動画コラム」では、介護に関するさまざまな情報を分かりやすく発信しています。ぜひ動画もご視聴ください(※専門家により解釈が異なる場合があります)。
\ 福祉の福ちゃんが講師を務める「介護・福祉セミナー」を開催しています /
監修
福井寛之(ふくい ひろゆき)
社会福祉士・介護福祉士・介護支援専門員(ケアマネージャー)
You Tuber 福祉の福ちゃん
経歴:特別養護老人ホーム、デイサービスで7年の介護経験。
在宅介護支援センター、地域包括支援センターで14年経験、センター長として勤務。
小学校、中学校の授業を通して認知症講座を開催。
在宅福祉の相談に数多く関わってきた経験から、また、認知症の祖父母を在宅で介護、看取りを行った経験から様々な講演を開催。
公開日:2024年11月19日 更新日:2024年11月25日
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