まごころ介護のお役立ち動画コラム
MAGOCORO MOVIE COLUMN
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『親の介護=親孝行』は正しい?~家族間での介護の考え方~
今年は、団塊の世代が「後期高齢者」となり、高齢化率は30%以上に達するため「2025年問題」と言われています。こうした中で、毎年約10万人が介護離職をしています。
一方、仕事をしながら家族の介護に従事する「ビジネスケアラー」が307万人と年々増加し、5年後の2030年には318万人になると推計され、大介護時代が到来します。
みなさんの身近でも、家族の介護をされている方は少なくないのではないでしょうか。すでにご自身で家族を介護されている方も多いかもしれません。
今回は、あるアンケート調査を元に「家族間での介護」について考えてみましょう。
目次
NPO法人となりのかいご(神奈川県厚木市)が、過去に介護をした経験のある人・現在介護をしている人を対象に、下記の内容でアンケート調査を行いました。
こちらのアンケート結果を元に、家族介護者の現状について見ていきましょう。
調査方法 |
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調査期間 |
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サンプル数 |
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仕事と介護の両立に際して、家族介護者には、精神的な負担も大きく伸し掛かります。
介護に関する精神的負荷を誰に相談しているかという質問では、「相談する相手がいない・することがない」と答えた割合が全体の33%となり、多くの人が負担を抱えたまま介護を行っていることがわかりました。
仕事とプライベートの状況に関しての回答では、家族の介護により時間の調整が難しく、思うように休みも取れないといった負の影響が多く発生していることがわかりました。
介護に関する意識調査では「介護を自分の手で行うことは親孝行になる」と回答した人が、65%にも上りました。
グラフを見ると、介護サービスを肯定する意見が多いものの、63%が「親(義親)や配偶者が認知症になったら自分(家族)がそばにいるべきだ」と認識しており、「自分がやらなければならない」という考えが強いことがわかります。
どんなに想い合ってきた家族であっても、介護の悩みから関係性が崩れていく恐れがあります。家族介護者は、「介護はいつ終わるのだろう」と絶望感に似た感情を抱くことがあり、また、そんな風に思ってしまった自分に対して自責の念にかられてしまうこともあります。
そんなときは「シャンパンタワーの法則」を思い出してみましょう。
◎シャンパンタワーの法則
「シャンパンタワーの法則」とは、作家・マツダミヒロ氏が提唱する人生の優先順位に関する考え方。
シャンパンタワーは、最上段のグラスから順番にシャンパンを注ぐことで、下のグラスも自然に満たされていきます。この法則では、1番上を「自分自身」、2段目を「身近な人や家族」、3段目を「友人や仲間」、4段目を「顧客」と見立てます。
こう考えた時、あなたは何段目からシャンパン(エネルギー)を注いでいますか?
自分のことは後回しにして、他の段からシャンパンを注いでいくと、全体が満たされることはありませんよね。すべてのグラスを満たすためには、一番上の自分のグラスを満たすことが必要なのです。
このイメージを元に、人生においても「まずは自分自身を満たすこと」が大切であり、その結果として周囲の人や社会全体に良い影響を与えられるという考えです。
介護は「一人でするもの」と思わずに「みんなでするもの」と考えてみてください。
今、家族の介護で悩んでいる方も、悩みを一人で抱え込まず、地域包括支援センターや福祉課の窓口に相談してみましょう。当「ワントップパートナー」でも施設探しのご相談を承っておりますのでお気軽にご連絡ください。
介護の悩みに直面したとき、選択肢を多く持っておくことが心のゆとりにも繋がります。困った時は「誰かに頼る」のも大切だということを忘れないでくださいね。
―引用元・参照WEBサイト
経済産業省|経済産業省における介護分野の取組について
NPO法人となりのかいご|介護離職白書―介護による離職要因調査―
マツダミヒロ|amebaブログ
介護は心身ともに負担が大きく、疲れが溜まると余裕を失うことがあります。
「今、疲れているな」など自分の感情を否定せずに受け止めて、辛いときはSOSを出し、誰かに相談してください。「自分自身の心と体を大切にする」ことでより良い介護につながるでしょう。
監修
公開日:2025年3月5日
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