まごころ介護のお役立ち動画コラム
MAGOCORO MOVIE COLUMN
当サイトでは、動画の内容を加筆・編集して作成しています。
それってケアマネの仕事ですか?~ アンケート調査でわかったケアマネの実情 ~
ケアマネジャーとして、利用者の方やそのご家族から依頼を受ける中で「これってケアマネが対応していいの?」と疑問に思ったことはありませんか?
ケアマネジャーは利用者の方との距離感が近い分、業務の対応範囲があいまいになりがちです。この問題は多くのケアマネさんを悩ませています。
今回は、介護報酬改定後にUAゼンセン日本介護クラフトユニオンが行った『ケアマネジャー限定 実態調査アンケート』の結果を解説します。ケアマネの業務範囲について、さまざまな項目の回答結果をお伝えしますので、ぜひ、全国のケアマネさんのご意見を確認いただければと思います。
ケアマネジメントの質向上と、人材確保に向けた制度や実務について話し合う『ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会』が2024年4月に発足しました。
これに伴い、UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(以下、NCCU)では、介護報酬改定後に『ケアマネジャー限定 実態調査アンケート』を行いました。
この問いに対して、ケアマネの方からは、日常生活に関することから医療関係の手続き、さらには災害時の対応まで、さまざまな業務が挙げられました。
この回答を見るだけでも、普段から多くの業務を依頼されていることがわかります。
では、実際にケアマネの方はどのくらい範囲外の業務を行っているのでしょうか。
なんと、この質問に対しては、ほとんどの方が「業務範囲ではないと思うもののどれか一つでも対応したことがある」と回答がありました。
では、実際に、どの項目にどの程度対応されているのでしょうか。
「ペット・植物の世話」は「ある」の回答が15%と低かったものの、ほとんどの項目で「ある」が50%を超える結果になりました。
業務外とわかっていながら対応した理由はどんなものがあるのでしょうか。
『なぜ、範囲外と分かっていながらその業務を行ったのか』という問いには、下記のような回答が挙げられました。
最も多かった回答支援できる家族や友人・知人がいなかった
その他の回答◎自費サービスを利用する金銭的な余裕がない
◎連絡などの手続きの手間を省くため ◎人手不足のため ◎その他
この質問には、『支援できる家族や友人知人がいなかった』と回答される方が最も多く、この結果から、利用者の方も身近に頼れる存在がいない状況であることがわかります。
多かった回答◎ケアマネジャーができることと、できないことを明確に示す
◎不明確な業務範囲を誰が行うべきか明確に決める
その他の回答◎利用者や家族が介護保険制度を理解しやすいようにする
◎現在、業務範囲とされていないことも対応できるように報酬をあげて制度に定める
この質問では、ケアマネジャーの業務を明確にすることが最も多く求められました。そのほかには、『業務範囲外のことでも対応できるように今後は制度に定めていく』という意見もありました。
参考:UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)「ケアマネジャー限定 実態調査アンケート」集計結果
※一部回答結果の数字は四捨五入しています
ケアマネが範囲外の業務をしてしまったら、本当にサービスが必要な人にサービスが届かなくなります。
「主役は誰なのか」ということを考えた時に、「お金を支払ってサービスを受けてもらう」という選択肢をご提示することが必要です。
また、ご家族が担える部分をケアマネが行ってしまうということは、ご家族とご本人の、残りの人生において生まれる絆を薄めてしまう行為につながる側面を持っています。
想像力を働かせ、利用者さんの経済的状況、家族背景も鑑みたうえで、時には支援を切り捨てるという視点も、高齢者や、その家族を救う、そんな時代に差しかかっていると思います。
今回の調査結果をご覧になって「業務外の仕事をしているのは私だけじゃないんだ」。そう思われた方は多いのではないでしょうか。
ケアマネの役割を明確化する、業務を洗い出す、他の専門職などと連携して分担する。これらを実行することが必要だと感じます。
「まごころ介護のお役立ち動画コラム」では、介護に関するさまざまな情報を分かりやすく発信しています。ぜひ動画もご視聴ください(※専門家により解釈が異なる場合があります)。
\ 福祉の福ちゃんが講師を務める「介護・福祉セミナー」を開催しています /
監修
福井寛之(ふくい ひろゆき)
社会福祉士・介護福祉士・介護支援専門員(ケアマネージャー)
You Tuber 福祉の福ちゃん
経歴:特別養護老人ホーム、デイサービスで7年の介護経験。
在宅介護支援センター、地域包括支援センターで14年経験、センター長として勤務。
小学校、中学校の授業を通して認知症講座を開催。
在宅福祉の相談に数多く関わってきた経験から、また、認知症の祖父母を在宅で介護、看取りを行った経験から様々な講演を開催。
公開日:2024年10月17日 更新日:2024年11月25日
24時間365日 通話料無料でご相談