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介護保険を学ぼうシリーズ⑤【入院・退院時に家族がすべきこと】地域包括支援センター長が解説

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介護保険を学ぼうシリーズ⑤【入院、退院時に家族がすべきこと】 地域包括支援センター長解説

今回のテーマは「大切な家族が急に入院したときにすべきこと」です。
突然の入院に直面したとき、多くの人は動揺し、何をすればいいかわからなくなります。しかし、家族として冷静に判断し、適切に対応できるかどうかが、退院後の生活の質を大きく左右します。

今回は、地域包括支援センター長として1万件以上の相談に対応してきた経験から、入院・退院時に家族が取るべき行動をお伝えします。

突然の入院時に冷静に対応するために

大切な家族が急に入院したとき、冷静に対応できますか?
突然の入院は誰にでも起こり得るものですが、そのとき家族が正しい対応を取れるかどうかで、退院後の生活の質が大きく変わります。

入院は、ただ病気を治すだけの時間ではありません。退院後の生活を見据えた準備を行う重要な期間でもあります。家族が知識を持っていれば、退院後の生活をよりスムーズに進めることができます。

それでは、入院から退院までの流れを3つの段階に分けて詳しく見ていきましょう。

入院

入院・退院時に家族がすべきこと【3つのステップ】

家族が入院すると、病院側がすべて手配してくれると思いがちですが、実際は家族の積極的な関与が重要です。特に「退院後にどこで生活するのか?」を早めに決めることが重要です。入院から退院までの流れを、以下の3つの段階に分けて説明します。

  • 入院直後(最初の1週間以内)にすべきこと

  • 入院期間中にすべきこと

  • 退院間近にすべきこと

① 入院直後(最初の1週間以内)にすべきこと

入院直後は、今後の治療方針や生活の見通しを立てる重要な期間です。次の3つを必ず行いましょう。

1. 主治医に今後の見通しを確認する

入院の目的や治療計画をしっかり把握することが大切です。
特に以下の点を確認しておきましょう。

  • どのくらいの期間の入院が見込まれるか

  • 後遺症の可能性(麻痺・言語障害など)

  • 退院後の生活にどんな影響があるか

特に「リハビリの必要性」についても確認しましょう。退院後に自立した生活を送るためには、入院中から適切なリハビリを受けることが不可欠です。

ポイント
主治医は忙しいため、こちらから積極的に質問することが大切です。遠慮せずに、治療の進捗状況や退院後の方針について相談しましょう。

2. 本人の様子を観察し、変化があれば医療スタッフに報告する

入院後、体調や認知機能に変化がないかチェックしましょう。
家族は本人の普段の状態をよく知っているため、小さな異変にも気づきやすいです。

  • 以前と比べて言葉が出にくくなっていないか?

  • 食事がうまく飲み込めているか?

  • 手足の動きに違和感はないか?

ちょっとした違和感でも、遠慮せずに主治医や看護師に伝えましょう!

3. 地域包括支援センターに相談し、介護保険の申請を早めに行う

地域包括支援センターは、介護保険の手続きや生活支援の相談窓口です。
介護保険は申請してから認定が下りるまで1か月以上かかるため、早めの申請が重要です。

地域包括支援センターに相談すると…

  • 退院後の生活に必要な介護サービスが利用しやすくなる

  • 施設入所や在宅介護の選択肢を知ることができる

  • 介護認定の手続きをスムーズに進められる

ポイント:地域包括支援センターとは?

地域包括支援センターには、保健師・社会福祉士・ケアマネージャーが在籍し、退院後の生活設計をサポートしてくれます。
相談は無料なので、遠慮せずに活用しましょう。

介護保険の手続き

② 入院期間中にすべきこと

入院中に今後の生活環境を整えていくことが必要です。

1. 退院後の生活環境を検討する

主治医の説明を受けながら、次の3つの選択肢を考えます。

  • 自宅で生活できるか?(リハビリや介護サービスが必要か)

  • リハビリ病院・施設を経由する必要があるか?

  • 在宅介護が難しければ施設入所も検討するか?

チェックポイント

  • 退院後の生活で困ることは何か?

  • 介護が必要な場合、誰がどのようにサポートするか?

  • 介護保険サービスを利用する場合、ケアマネージャーを決める必要がある

2. ケアマネージャーを探す

ケアマネージャーは、退院後の生活支援プラン(ケアプラン)を作成する専門家です。
特に、以下のような支援が必要な場合は、早めに探しておきましょう。

  • 自宅での介護サービス(訪問介護・デイサービスなど)

  • 介護用ベッドや手すりの設置

  • 食事・服薬管理のサポート

退院後の生活

③ 退院間近にすべきこと

退院直前には、病院と家族がしっかりと情報を共有し、スムーズに生活を再開できるよう準備します。

1. 退院前カンファレンスを開く

病院で「退院前カンファレンス」を実施し、今後のサポート体制を整えましょう。

参加者:

  • 主治医(病状・治療経過の説明)

  • 看護師(入院中の様子や注意点)

  • ケアマネージャー(在宅介護の計画)

  • 家族(生活の不安点の相談)

このカンファレンスで、退院後の課題や支援内容を整理し、家族の負担を軽減する準備をします。

2. 退院後の生活に必要な手続きを済ませる

  • 介護保険サービスの開始手続き

  • 在宅介護用の福祉用具レンタル(ベッド・車いすなど)

  • 食事や家事の支援サービスの利用手配

退院前カンファレンス

まとめ:家族の入院に備え、事前に知識を持とう

家族が急に入院した場合、焦らずに次の2つを意識しましょう。

  • 地域包括支援センターに相談する(介護サービスや今後の生活支援について)

  • 介護保険の申請を早めに行う(認定に1か月以上かかるため、入院中に手続きする)

「自分の身は自分で守る」という意識を持ち、必要な支援を早めに受けることが大切です。
介護は家族だけで抱え込むものではありません。地域の支援を活用し、無理なく乗り越えましょう!

 

\ 福祉の福ちゃんが講師を務める「介護・福祉セミナー」を開催しています /

監修

福井 寛之

You Tuber 福祉の福ちゃん

福井 寛之(ふくい ひろゆき)

専門分野
社会福祉士・介護福祉士・介護支援専門員(ケアマネージャー)

公開日:2025年3月24日 

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