まごころ介護のお役立ちコラム
MAGOCORO COLUMN
台風や地震など、近年では毎年のように大きな被害が出ています。
いつ襲ってくるかわからない災害から自分や大切な人の身を守るためにも災害に対する備えは大切です。特に高齢者がいるご家庭は、早めの避難が必要になります。
今回は高齢者世帯の防災について具体的な日頃からの備えやチェックリスト、防災グッズをご紹介いたします。
目次
災害による被害をできるだけ少なくするためには、日頃からの備えが大切になります。
いざという時のために、次の8つをチェックしてみましょう。
大きな家具には固定金具などを使って固定する
タンスや食器棚のように大きな家具は地震などの大きな揺れで倒れる可能性があります。それによりケガをすることも多いので、大きな家具類や電化製品は固定金具などを使って固定しましょう。
観音開きの扉などはストッパーを取り付ける
引き出しや観音開きの扉にはストッパーを取り付けることで中身が飛び出さないようにしましょう。
ガラスには、ガラス飛散防止フィルムを貼る
扉がガラスの場合は、ガラス飛散防止フィルムを貼りましょう。また、日頃からガラスの上を歩いても安心なように、スリッパを履くことを習慣づけることも有効です。
出入り口付近にはできるだけ高い家具は置かない
寝室や出入り口付近には、背の高い家具を置かないようにしましょう。倒れた際に扉が開かなくなるかもしれません。
通路や出入口には物を置かない
災害時の避難経路を確保するために、通路や出入口には物を置かないようにすることでいざという時スムーズに避難できるようにしましょう。
家具の上には重いものや危険なものは置かない
タンスなどの上には、重いものなど落ちてくると危ないものは置かないようにしましょう。
お住いの地域の自治体サービスを活用する
自治体によっては、家具転倒防止器具の取り付けを無料で行っていたり、費用の助成を受けられる場合もあります。一度自治体に問い合わせてみましょう。
耐震診断を行い、補強が必要であれば措置を取る
昭和56年以前に建てられた住宅は、耐震対策が不十分な可能性がありますので一度確認してみてください。危険だと判断された場合は補強の措置を取りましょう。自治体によっては耐震診断を無料で受けられたり、補助を受けられる場合もありますので自治体に問い合わせてみましょう。
非難する際に持ち出すべきものを準備しておきましょう。
非常用持出袋に入れて玄関など持ち出しやすい場所に置いておくと緊急時に慌てずに持ち出せます。
非常食など、1年に数回は中身を確認して必要があれば交換しましょう。
■非常用持出品チェックリスト
備蓄品は、災害復旧までの数日間を自足できるように準備しておくものです。
災害後に取りに戻れるよう、倉庫や車のトランクなどに分けて備蓄しておくと便利です。年に1回は賞味期限を確認しておきましょう。
治療中の病気や持病がある方は薬も準備しておきましょう。3日分程度備えておくことが必要です。かかりつけ医と相談して、手持ちの薬がなくなる前にもらうようにしましょう。
■備蓄品チェックリスト
■常時携行品チェックリスト
外出先で被災する場合もあるので必要なものは身に着けておきたいものです。コンパクトで軽いものを探しましょう。
日頃から家族と話して、家の中の一番安全な場所や、避難所、避難経路、災害時にはぐれたときの待ち合わせ場所、連絡方法などを確認しておきましょう。
避難所については、実際に歩いて確認してみることも重要です。避難までの経路に危険な箇所がないかも含めて確認しておきましょう。
避難カードの活用
家族が一緒のときに災害が起こるとは限りません。家族がバラバラになったときの連絡方法や、どこに集合するか決めておくといざというときに安心です。決めたことを「避難カード」に記載して常に携帯するようにしましょう。
※個人情報の管理には十分気を付けてください。心配な方は、避難所など一部の情報だけでも有効です。
地域で実施される防災訓練に積極的に参加しましょう。そこでの交流が災害時に役立つかもしれません。災害が発生したときは援助してもらえるように、日頃から近所さん同士でコミュニケーションを取っておくと安心です。
地震や津波などの災害が発生した際は、まず自分の身を守る行動をすることが一番大切です。情報に注意して冷静に行動してください。特に高齢者は避難に時間がかかりますから早めの行動を心掛けましょう。
丈夫な机やテーブルの下にもぐり、机などの脚をしっかりと握りましょう。
また、頭を座布団などのやわらかいもので守り、揺れが収まるのを待ちます。
突然大きな揺れに襲われたときは、まず自分の身を守れるよう心掛けましょう
戸や窓を開けて避難する出口を確保しましょう
棚や棚にのせてあるもの、テレビなどが落ちてくる場合もあるので揺れが収まるまで安全な場所で待ちましょう
慌てて外へ飛び出さないようにしましょう
火の始末をして、ガスの元栓や電気のブレーカーを落としましょう
建物の倒壊によって閉じ込められたり、ケガをして動くことができないときは、外の人に聞こえるように大きな声を出したり、物を叩いたりして自分の居場所を伝えましょう
避難勧告や避難指示が出たら、非常用持ち出し袋をもって近隣の方に避難所まで誘導してもらいましょう。
どこに避難するかメモを出入り口に貼るなどして、避難先を明示して避難しましょう
風水害や火山活動のときは早めの避難が鉄則です。高齢者の方は避難勧告の前段階の警戒レベル3「避難準備情報」が発令された時点で避難行動を開始しましょう。
台風以外でも普段と違う雨の降り方の場合などは自主的に避難するように心掛けましょう。
「警戒レベル3」で高齢者等は避難、「警戒レベル4」で全員避難を。
今回は、災害への日頃からの準備についてや、実際に発生した際の取るべき行動についてご紹介しました。
近頃は毎年のように自然災害による被害が続いております。それに伴い、避難所も警戒レベルが低い、早い段階から準備されるようになりました。
高齢者はもちろん、自分の身を守るために早めの行動を心掛けましょう。
監修
橋本珠美
2001年4月、株式会社ユメコムを起ち上げ、介護・福祉の法人マーケットを中心に、誰もが高齢社会を安心して過ごすためのコンサルティングを始める。
また「高齢者と高齢者を抱える現役世代」のための相談窓口「シニアサポートデスク」「ワーク&ケアヘルプライン」を運営し、高齢者やそのご家族の幅広いお悩み(介護・相続・すまいなど)にお応えしている。
相談窓口の事例と自身の経験(ダブルケア)を取り入れたセミナー活動は好評を得ている。
株式会社ユメコム(https://www.yumecom.com)
公開日:2021年10月8日 更新日:2023年3月24日
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