まごころ介護のお役立ちコラム

MAGOCORO COLUMN

シニア世代のカーライフ

車を運転するシニア

誰でも年齢を重ねると、自動車の運転パフォーマンスは落ちます。豊かなシニアライフを送るためにも、運転パフォーマンスの低下を自覚すること。運転に自信があっても家族や周りの意見に耳を傾けることも大切です。
今回は、高齢ドライバーによる交通事故の状況と事故原因のほか、事故を起こさないための対策、そして素敵なカーライフを送るための情報をわかりやすくご紹介します。

シニア運転者の心得

安全運転といえば事故を起こさないことだと思っていませんか?これでは安全運転とはいえません。事故をもらわない運転も大切です。

高齢ドライバーとは、一般的に前期高齢者である65才以上の運転者のことを指します。高齢ドライバーのうち、70才以上のドライバーについては、高齢者マーク(高齢運転者標識)を車に貼ることが奨励されています。

車の安全装備の充実などを背景に、交通事故発生数は2004年をピークに減少に転じ、2022年にはピーク時の3分の1以下になりました。ただし、高齢ドライバーによる事故の割合は増加傾向にあり、死亡事故全体に占める高齢ドライバーの事故の割合も増加中です。
高齢ドライバーが交通事故を起こさないためには、高齢ドライバーの事故率が高い事実を踏まえ、慎重な運転を心掛けることが大切です。ここでは、高齢ドライバーが運転に際して気を付けたいポイントをご紹介します。

後続車からの追突防止

後続車からの追突を防止するため、停止するときは徐々にブレーキを踏んで後続車に停止の意思を早めに知らせるようにしましょう。

渋滞による追突防止

渋滞中の追突事故は、主に「最後尾の車が後ろから追いついてきた車」に追突されることによって発生します。したがって、自分の車が最後尾になりそうなときは、スピードを調整(減速)して後続車が2~3台追いついてきてから停止するようにしましょう。また、後続車が迫ってきた場合、ポンピングブレーキを踏んだり、高速道路であれば、すぐ後ろに後続車がいないときは、停止してからハザードランプを点灯するなど、この先が渋滞であることを後続車に伝えることも大切です。

黄色信号での急ブレーキは危険

信号で、急にブレーキをかけて止まってしまうと後続車に追突されてしまう危険がある場合は、注意しながらそのまま進みましょう!

【信号機の「色」の役割をおさらい】

「赤」・・・止まれ ←止まらなければ信号無視
「黄」・・・止まれ ←ただし、停止線までに安全な停止が出来ない場合や、すでに停止線を越えている場合は信号無視になりません
「青」・・・進んでもよい

右左折時の危険

左折時
●青信号で左折時、横断している歩行者や自転車があり、それに対して停止したとき
●道路に面した施設に左折進入する際、歩道の手前で一時停止したとき

右折時
●青信号で右折時、交差点での停止や右折レーンからはみ出して停止したとき
●道路に面した施設に右折進入する際、対向車等に対して停止したとき

追突事故が起こる主な場合、後続ドライバーは「前の車はそのまま直進するだろう」と考えています。それは、前の車が「合図が遅い」「合図を出さない」のが原因です。車同士では「ウィンカー」が唯一のコミュニケーションツールです。追突されないようにするには、いかにうまく後続車に自分の車が右左折することを伝えられるかがポイントです。

事故を起こさない、もらわない運転をするためには、この後どのような状況になるのか、正しく予測し(先読み)次の行動を準備することこそ大変重要です!

自己コントロールチェックリスト

「自分は危険な運転操作なんてしない」と思っていても普段の運転操作が実は「危険な運転」だったということもあります。下記チェック項目に当てはまる人は要注意です!

  • 自動車の運転はうまいほうだ。

  • 前方があいていると、ついスピードが出てしまう。

  • 遅い車の後ろにつくと車間距離をつめて走る。

  • ハンドルを切ってから、回りの車に気付くことがある。

  • 自分の運転は優柔不断で、間のとり方がまずいと思う。

  • 割り込みされそうなときは、いつも車間距離をつめる。

  • 割り込みはうまいほうで、いつも得した感じがする。

  • 自転車はもっと端を走るべきだ。

車にドライブレコーダーを設置してステッカーを貼る

高齢ドライバーは、身体機能や認知機能の低下などから事故を起こしやすい傾向があるので、自身の運転能力を把握した上で、慎重な運転を心掛けることが大切です。
高齢ドライバーの安全運転のサポートをしてくれるドライブレコーダーを装着すると、ご家族の方も安心できるでしょう。

車両の前方および後方を撮影できるドライブレコーダーを設置し、「ドライブレコーダー設置車両」や「ドライブレコーダー撮影中」といったステッカーを貼ることで、周囲にいるドライバーのあおり運転を自制する効果が見込めます。また実際にあおり運転の被害に遭った場合、ドライブレコーダーによって撮影した映像を証拠として提出して立証することも可能です。
実際にはドライブレコーダーを設置していなくても「ドライブレコーダー撮影中」といったステッカーをリアバンパーやリアウィンドウガラスに貼ることで、後続車による車間詰めやパッシングといったあおり運転を抑制する作用があります。

令和4年5月13日改正道路交通法の施行について

高齢者運転者対策の充実・強化をはかるため75歳以上の免許更新手続きについて以下3点が改正されました。

  • 認知機能検査の検査方法が変更になり簡素化されました。

  • 高齢者講習の一元化。これまで2時間・3時間講習に分かれていた高齢者講習が、2時間の講習に一元化されました。

  • 運転技能検査が導入されました。

認知機能検査

・手がかり再生
・時間の見当識
※認知症に関する医師の診断書を提出することで認知機能検査に代えることができます。

高齢者講習

・運転適性検査(30分)
・座学講義(30分)
・実車指導(60分)

合計2時間の講習

※原付、二輪、小特、大特のみは実車指導なし
※運転技能検査受検者は実車指導免除

運転技能検査の導入

  • 過去3年以内に一定の違反がある方が対象となります。

  • 運転技能検査に合格しない場合、免許の更新はできません。

  • 免許更新手続期限まで複数回受検可能です

運転技能検査の対象となる一定の違反行為

こちらの違反行為は、75歳以上で運転免許を持っている方が、いずれ重大事故を起こす可能性が高い違反です。

①信号無視
②通行区分違反
③通行帯違反等
④速度超過
⑤横断等禁止違反
⑥踏切不停止等・遮断踏切立ち入り
⑦交差点右左折方法違反等
⑧交差点安全進行義務違反等
⑨横断歩行者等妨害等
⑩安全運転義務違反
⑪携帯電話使用等

運転免許証の「自主返納制度」

自動車の運転をやめる場合は、本人の申請により運転免許を取り消し、運転免許証を返納することが出来ます。

運転免許証を本人確認書類として使用したいなら

運転免許証の返納後5年以内に申請し、運転経歴証明書の交付を受けましょう。

さいごに

60歳を超えると自動車の運転パフォーマンスが落ちます。もちろんそれには個人差があり、高齢になるほどその差が大きくなります。まだまだ自動車の先進技術は完璧とは言えません。事故の責任はドライバーにあります。自動車の運転をするときは決して油断することなく、「事故をおこさない、もらわない安全運転」を心がけてください。

監修

橋本珠美

橋本珠美

2001年4月、株式会社ユメコムを起ち上げ、介護・福祉の法人マーケットを中心に、誰もが高齢社会を安心して過ごすためのコンサルティングを始める。
また「高齢者と高齢者を抱える現役世代」のための相談窓口「シニアサポートデスク」「ワーク&ケアヘルプライン」を運営し、高齢者やそのご家族の幅広いお悩み(介護・相続・すまいなど)にお応えしている。
相談窓口の事例と自身の経験(ダブルケア)を取り入れたセミナー活動は好評を得ている。

株式会社ユメコム(https://www.yumecom.com)

公開日:2022年8月19日 更新日:2023年11月10日

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